Motion Laboratory

| About | News | Contents | Projects | Publications |
Mocap Mocap Mocap Mocap
Mocap Mocap Mocap
VRによる蒔絵万年筆の3DCGおよび展開図鑑賞システム

蒔絵万年筆は,照明などの光や湿度によって劣化するものがあり,恒常的な展示には適さない.また,細かい柄等が肉眼で見えにくいといった問題がある.一方,近年VR技術の発展と博物館資料のデジタルアーカイブ化が進んでいる.本研究では,博物館の展示支援を目的として,蒔絵万年筆のVR鑑賞システムを開発した.本システムでは,蒔絵万年筆の連続した絵である展開図画像と3DCGを同時に鑑賞することができる.VR上にある蒔絵万年筆を自由に鑑賞することが可能であり,一つの万年筆を両コントローラで引き離すような動作を行うことで展開図が引き出される.また,コントローラのボタン押下によってVR上にある万年筆の所持,拡大縮小が可能である.本システムを実際に体験してもらい,評価実験を行った.アンケートの結果,約70%の体験者が満足に鑑賞できた,VRを使用した鑑賞方法は適切であると回答した.一方,約40%の方からはインタフェースがわかりづらいという回答が得られた.このことから,本研究から,現在のインタフェースには改善の余地があるが,VRでの鑑賞方法は適切であることが確認された.

  • 浅尾陸斗, 曽我麻佐子, 鈴木卓治, VRによる蒔絵万年筆の3DCGおよび展開図鑑賞システム, 映像情報メディア学会技術報告, vol.44, no.4, ME2020-4, pp.9-10, 2020年2月
群舞フォーメーションのための移動制御システムの提案

近年, アイドルやアーティストグループの人気に伴い, 複数人で隊列を組み, 集団としてのダンスを魅せるフォーメーションダンスへの関心が高まってきている. そこで本研究では, ダンスフォーメーションの作成と移動のシミュレーションを目的とし, 群舞フォーメーションのための移動制御システムの提案をした.本システムでは, 複数のダンサーの移動を再現するために仮想空間内のステージ上に複数のCGダンサーと移動目標を配置し, 振付の再生とフォーメーション移動を3DCGアニメーションで表示する. ダンサーと移動目標の位置情報から算出した移動方向をもとにダンサーの身体方向の制御を行い, 群舞再現の際に個々のダンサーの身体の向きを指定できるようにした. また, 移動目標の配置制御による複数ダンサーのローテーション移動も再現した. 本システムの有用性を確認するために, 被験者8名による評価実験を行った. その結果, 本システムはフォーメーションの作成とダンサーの移動の確認ができるという点で有用であるという結果を得られた.

ランダムフォレストを用いたダンス振付組合せの分析

本研究の目的は,振付家にとって有用性の高いダンスの振付組合せを,機械学習を用いて自動生成することである.そのため今回ダンスの振付組合せを自動生成するシステムであるBMSSで生成した短いダンスの振付組合せがどのような要因から振付家から高く評価されるかを分析した.学習データとして振付組合せと,それに対応するプロの振付家が評価したデータを使用し,学習を行った.ランダムフォレストを用いて学習を行い,学習済みモデルの生成を行った.生成した学習済みモデルから各動作がどれだけ評価の判断に影響しているかを表す重要度を算出した.高く重要度が出ている動作について作成した学習済みモデルを読み取り,高く重要度が出ている動作がどのように評価に影響を及ぼしているかを分析した.その結果,高重要度動作の中から評価に良い影響を及ぼしていると考えられる身体部位動作を見つけることができた.

  • 北井僚介, 曽我麻佐子, ランダムフォレストを用いたダンス振付組合せの分析, 映像情報メディア学会技術報告, vol.44, no.4, ME2020-2, pp.5-6, 2020年2月
振付家の舞踊創作における動作合成システムの利用状況分析

振付家の舞踊創作において, 長期的に動作合成システムを使用した舞踊創作作品が少なく利用状況が把握できないため, 振付家の利用状況から動作合成システムの活用法を模索することを目的とする. 本研究では, 動作合成システムで振付を作成した振付組合せデータとそれを用いて創作した舞台パフォーマンスにおけるダンサーの実演動画を使用し, 利用状況の分析を行った.振付組合せ集約内容の比較分析では, 基本となる全身の動作と身体部位を差し替えた動作ではジャンプなどの屈伸動作を合成する割合が高いことが分かった. また, 動画差異集約内容の比較分析では, 振付創作した動作をシステムにない動きやアレンジを加えることで, 新しい振付動作として舞踊に取り入れていることが分かった. これらの分析結果から, 最初の舞踊創作においては基本動作や差し替えを使用した動作を用い, 徐々に混ぜ合わせを使用したジャンプなどの屈伸動作を合成し, システムで振付創作した動作をアレンジし, 新しい振付動作として舞踊に取り入れていくことで動作合成システムを活用した舞踊創作の支援が可能であると考えられる.

VRと身体動作入力による剣道の基本動作体験システム

剣道の練習を行う際, 技を打ちこむ相手や経験者による指導が必要である. 本研究では, 剣道の基本動作と技の打ち方の習得を目的とし, VRを用いて剣道を体験できるシステムを開発した. ユーザは HMD を頭に被り,コントローラを手に持ち,トラッカを両足に装着する. VR空間内で相手キャラクタと対面し,手本動作のアニメーションを参考にしながら,コントローラと連動して動く竹刀を操作して面・小手・胴の順番に技を打ちこむ. 技を打つまでの一連の動作において,正しい動作が行えているかを確認するために,HMD およびコントローラから得られる頭の高さと手の高さを用いて振りかぶり動作の判定を行う.さらにトラッカで取得した両足の位置を用いることで, 剣道において重要となる足の配置の判定が行えるようにした. 本システムを27人の被験者に体験してもらい, 評価実験を行った.操作性,手本動作の分かりやすさに関する質問では約9割,技を打つ位置の理解に関する質問では約8割から肯定的な回答を得ることができた.一方で,技の入力判定の精度やUIの表示の仕方などに課題があることが分かった.

  • 田中拓海, 曽我麻佐子, VRと身体動作入力による剣道の基本動作体験システム, 映像情報メディア学会技術報告, vol.44, no.4, ME2020-1, pp.1-4, 2020年2月
3DCGを用いた歩行動作可視化システムの提案

理学療法における動作分析のほとんどが視覚でとらえたものから分析を行っているため正確性に欠けており,本研究では動作特徴の可視化をシステム上で行うことでより正確なものとなっている.本システムでは歩行障害を対象に歩行の支援を行うものである.そこでモーションキャプチャから取得したデータから特徴量を 算出し3DCGで歩行各相ごとに可視化するシステムを開発した.本システムでは,光学式モーションキャプチャで取得したマーカーの3D座標から特徴量として体の向き,膝の角度,足首の角度をフレーム毎に算出し,使用するユーザが必要な特徴量のみを見るために歩行各相ごとに可視化を行う.初期接地時は右足が床に接触する瞬間の各相を適切に表示するため体の向き,右足首を可視化する.体の向きは歩行時にどのくらい左右に体が傾いているかを胸,右腰,左腰,から算出して求めた点と左右の腰と線で結び表示する.特徴量の最適な可視化方法を評価するために6名の被験者にシステムを利用してもらい評価実験を行った.その結果,歩行各相ごとに可視化することによって重要な部位の可視化がされており,分かりやすかったという結果が得られた.

モーションキャプチャによるバットの素振り動作の比較

本研究では,通常と異なる素振りの特徴を明確にすることを目的とし,モーションデータを用いたバットの素振り動作の比較を行った.通常の素振り,逆持ち素振り,大股素振りの三種類の素振りを対象とし,光学式モーションキャプチャシステムを用いて10回ずつ計測した.特徴量として脇の開き角度,腰の回転角度,バット先端の速さを算出した.腰の回転角度は構えにおける腰の向きとスイング中の腰の向きのなす角とした.算出した特徴量を比較した結果,大股素振りは通常の素振りに比べて腰の回転角度が大きくなっていた.大股素振りは大きく腰を回転し,安定したスイングができるということがわかった.逆持ち素振りは通常の素振りと比べて,脇の開き角度が小さくなっていた.従って,逆持ち素振りでは脇を締めてスイングしていることがわかった.

  • 宮部太一, 曽我麻佐子, モーションキャプチャによるバットの素振り動作の比較, 映像情報メディア学会技術報告, vol.44, no.4, ME2020-3, pp.7-8, 2020年2月
| 卒論・修論タイトル一覧 |