Motion Laboratory

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Mocap Mocap Mocap
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モーションデータを用いたボールの蹴り方による回転動作の比較

サッカーでは,ボールの蹴り方が複数あり,蹴り方によってボールの回転軸や回転方向が異なる.そこで本研究では,モーションデータを用いて異なる蹴り方によるボールの回転動作を比較し,理論通りに回転しているのかどうかを検証する.光学式モーションキャプチャシステムを用いて4種類の異なる蹴り方のボール動作を計測した.本研究では,ボールの特徴量として,X,Y,Zの各軸を基準とした初期フレームと各フレームの回転角を算出する.結果は,インステップの振幅が大きく縦回転していることが確認できた.しかしインサイドでは同じく縦回転であるが振幅が小さくなっていた.同様に,X軸を基準とした回転角では,アウトサイドの振幅が大きく横回転していることが確認できたが,インフロントはキックの威力が弱くあまり回転していなかった.

ARとモーションデータを用いた舎利容器のインタラクティブコンテンツ

舎利容器の側面には仮面をかぶって踊る舞人や楽器などを演奏している楽人らが描かれているが,模様を一見しても当時の踊りなど詳しい情報まで分からない.本研究では舎利容器の興味喚起と理解の向上を目的として,ARとモーションデータを用いたインタラクティブコンテンツを開発した.本コンテンツは,舎利容器のレプリカの側面の舞人をタブレット端末のカメラで認識することで,舞人や舎利容器の3DCGを画像の前に重畳表示する.舞人のCGモデルにはモーションキャプチャによる動作データを付与しており当時の踊りに近い踊りを鑑賞できる.またCGモデルは画面のタッチ入力やGUIボタンで操作でき,インタラクティブ性のある鑑賞を可能にしている.本システムの有用性を評価するために,学生や一般人合わせて10人による評価実験を行った.評価結果より回答者の6割が舎利容器に興味や理解を深めたと回答し,本システムのある程度の有用性を確認した.

  • 谷向響, 曽我麻佐子, 岡田至弘, モーションデータとARを用いた舎利容器のインタラクティブコンテンツ, 映像情報メディア学会技術報告, vol.42, no.6, ME2018-46, pp.7-8, 2018年2月
動作ログを用いた博物館展示システムの利用状況の分析

近年,博物館展示において情報技術が活用されているが,来館者全員にはアンケート調査が行えないため利用状況の分析が難しいという問題がある.本研究では,博物館展示システムに求められるインタフェースやコンテンツに対する知見を得ることを目的とし,実際に博物館で展示されたシステムの動作ログを用いて,ユーザの利用状況について分析を行った.さいころ型デバイスやボタンを使用して江戸時代のすごろくを体験できる「デジタルすごろくゲーム台」では,さいころ型デバイスを使用した場合,ボタンで遊んでいる場合よりゴールできた人の割合が高いことがわかった.HMDとペン型デバイスを用いて3DCGによる蒔絵万年筆を様々な角度で閲覧できる「蒔絵万年筆3DCG」では,HMDを使用した場合,画面に表示される万年筆の一覧の中央のものが万年筆によらず閲覧されていることがわかった.このことから,インタフェースによってユーザのゲームの結果が変わることと,複数の展示物の中から特定の展示物を閲覧する場合,目立つものや中央のものが閲覧されやすいことを想定した上で展示システムを開発するべきだと考えられる.

モーションデータを用いたよさこいの群舞シミュレーションシステム

よさこいなどの大人数で踊る群舞は,個人のダンスとは異なりステージ上で隊形同士をどう組み合わせるかが重要である.そこで本研究では,群舞のシミュレーションを目的とし,モーションデータを用いた群舞シミュレーションシステムを開発した.よさこいでよく見られる,複雑な隊形移動を実現するため,本研究では2つの隊形の結合と1つの隊形から2つの隊形への分離を実装した.また移動の際に,先頭者が入れ替わることが多いため,選択した先頭者を基準に右左交互に配置し効率よく配置するようにした.モーションキャプチャを用いて取得したよさこいの振付を使用し,3DCGでシュミレーションを行うことができる.本システムの有用性を評価するために,よさこい経験者10名による評価実験を行った.その結果,本システムは群舞の創作支援として活用できるという評価が得られた.

モーションデータを用いたロードバイクのペダリングフォームの比較

本研究は,ロードバイクにおけるそれぞれのペダリングフォームの身体に対する効果を明確にすることが目的である.光学式モーションキャプチャシステムを用いて,ペダリングフォームを計測した.そして特徴量を算出し,各ペダリングフォームで比較を行った.計測するペダリングフォームは通常の漕ぎ方,立ち漕ぎ,全力の漕ぎ方の3つである.特徴量の算出には人体に装着したマーカ8個,ロードバイクに装着したマーカ4個を使用した.人体に装着したマーカを用いた特徴量として膝角度,横から見た足首角度を算出した.ロードバイクに装着したマーカを用いた特徴量として,上から見た足角度および腰の回転角を算出した.そして,特徴量の角度の振幅とペダルの周期を算出した.算出した特徴量を用いて通常時と立ち漕ぎ,通常時と全力時でペダリングフォームの比較を行った.結果,全力時は右足角度の最大値,最小値の平均と右膝角度,横から見た右足首角度の振幅の平均が通常時より大きくなった.全力時は下半身全体の動きに乱れが生じやすくなると考えられる.立ち漕ぎは,両方の足角度の最大値,最小値の平均,腰の回転角の振幅の平均が通常時より大きくなった.立ち漕ぎは足の動きに乱れが生じやすくなるが,左右に大きく腰を捻りながら漕いでいることが分かった.

ボルダリング感覚の提示を目的としたVRシミュレータの開発

ボルダリングと呼ばれるスポーツは体力の消費が激しく,危険を伴う.また体験可能な場所が限られるといった問題点もあるため,体験したことがある人は未だに少ない.本研究では,ボルダリング未経験者へのボルダリング感覚の提示と興味喚起を目的として,HMDとコントローラを用いて手軽に体験できるVRシミュレータを開発した.ユーザはOculus RiftとOculus Touchのトラッキング機能を用いて,キャラクタの視点と左右の手をそれぞれ操作する.VR空間に配置されたホールドと呼ばれる突起物に手をかざし,ボタンを押しながら手を動かすことで視点が移動する.これにより,上半身の動きだけで壁を登る動作を疑似体験できる.また没入感を高めるためにユーザの両腕の長さを取得しキャラクタに反映させる機能や,様々な経路での壁を登りを可能にするためにホールドのランダム配置機能を実装している.本システムを31人に体験してもらった結果,操作性やVR上の腕の動作の再現性,楽しさ,壁登りの再現性,興味喚起に関する質問に対し,約8割から肯定的な回答を得られた.改善点として,現実のボルダリングにより近づける必要があることがわかった.

  • 重原和希, 曽我麻佐子, 石田智行, 米倉達広, ボルダリング体感提示用VRシミュレータの開発, インタラクション2018論文集, pp.704-705, 2018年3月
HMDとセンサ技術を用いたロードバイクの事故体験シミュレータの提案

近年,ロードバイクと呼ばれる競技用の自転車が一般に普及し始め,それに伴って事故が増加している.本研究では,事故の疑似体験による危機意識の向上を目的としてHMDとセンサ技術を用いたロードバイクのシミュレータを開発した.本システムはHMDとジェスチャコントローラ,加速度センサを装着し,実際に自転車を漕ぐことでVR空間内を自由に移動する.ジェスチャコントローラとしてMYOを片腕に装着し筋電位の検出により自転車のブレーキを,MYOのジャイロセンサを利用しハンドルを曲げることで腕の回転を検出し自転車の進行方向の変更を再現できる.また脚に装着したWiiリモコンの加速度センサから,ペダルの回転数を算出することでVR空間内で現実と同じように加速できる.ロードバイクに乗る際に注意すべき走る場所や速度などの要因から3つの事故を体験できるようにした.本システムをロードバイクの経験者4名に実際に体験してもらい,評価実験を行った.アンケートの結果,被験者は事故の臨場感を感じ事故に対する危機意識が向上したと回答した.操作性については現実と違うといった指摘がいくつかあり,今後の改善が必要である.

  • 細田佑太郎, 曽我麻佐子, HMDとセンサ技術を用いたロードバイクの事故体験シミュレータの提案, 映像情報メディア学会技術報告, vol.42, no.6, ME2018-45, pp.5-6, 2018年2月
Kinectを用いた姿勢認識によるリハビリ運動促進ゲームの開発

近年少子高齢化が進行している一方で,様々な年代において運動する機会の減少による筋力の低下が見られる.本研究は,屋内で継続的に運動を行うことを目的とし,ゲームを通して簡単に楽しく運動を行うことができるシステムの開発を行った.本システムでは,ユーザが行うリハビリ運動をKinect を用いて取得する.取得したユーザの骨格の位置情報から姿勢を推定し,動作認識を行う.育成ゲームでは屈伸による下肢の筋力強化と腕上げによる肩関節の柔軟,障害物ミニゲームでは足踏みによる歩行動作の維持とジャンプによる下肢全体の筋力強化,空飛びミニゲームでは片足立ちによる体幹の強化と下肢の筋力強化を行う.1週間全体と1日で行う腕上げと屈伸の目標回数をユーザ自身で決め,目標の達成を目指して運動に取り組めるようにした.また評価実験の結果を受け,結果の記録機能を実装することで,ユーザに達成感や競争心を抱いてもらえるようにした.本システムの有用性を評価するために,被験者16人に実際にシステムを体験してもらうことで,評価実験を行った.その結果,9割の被験者から運動になった,ゲームを楽しんで行うことができたという評価を得た.その一方,ゲームを行うにあたりユーザを飽きさせない工夫がさらに必要だと感じる意見を得た.

スマートグラスを用いた手描き情報の重畳表示システム

VRの発展により立体的に絵を描く技術が登場しているが,これらは仮想空間上に描画するものがほとんどである.そこで本研究では,既存のお椀などの物体にデザインを行うために,仮想空間上で実物体に絵を描きこむことを目的とした基礎研究として,スマートグラスを用いた平面上に仮想描画を行う手描き情報の重畳表示システムを開発した.本システムでは,描画を行うためにペン先の色の検出と追跡を行い,追跡した軌跡に線を描画する.描画する線を分割するためにペン先をカメラ側に近づけたり遠ざけたりして描画を行うかどうかの切り替えを行い,ペンの位置が一定以上カメラに近づきすぎた場合は描画を行わないようにした.描画後,カメラを動かした場合でも描画情報を描画箇所に重畳表示させ続けるようにした.本システムの操作性とコンセプトの有用性を確認するために被験者10人にシステムを体験してもらう評価実験を行った.その結果,ほとんどの被験者が思い通りに描くことができなかったが,多くの被験者が本システムを通じて実物体への描画を行いたいと回答した.このことから,操作性については課題が残ったが,現実空間の実物体へ仮想的に絵を描きこむというコンセプトの有用性を確認できた.

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