Motion Laboratory

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角川 知 : タブレット端末を用いた家具配置シミュレーションシステム

タブレットはマルチタッチシステムにより指で画面に触れることで操作ができ,携行性の高さなどから近年普及している.本研究では,タブレット端末を用いて3D空間内で自由に家具を配置し,家具のレイアウトのシミュレーションを行うシステムを開発した.引っ越し等で家具の配置を考える人の役に立てるために,実用的で使いやすいシステムを目指した.本システムは,家具を設置する土台となる部屋の大きさを設定し,家具一覧から挿入する家具オブジェクトを選択し,配置していくものである.家具の配置はタッチ操作に対応しており,タップした箇所に家具オブジェクトを置くことができる.家具の整列を容易に行えるようにするため,部屋は正方形のマス目状に区切り,そのマス目に沿った位置に家具が配置されるようにした.家具は配置後にタップで向きの変更と削除,ドラッグで移動が行える.家具の種類は大きさのバリエーションも含めると25種類となっており,多種多様な室内空間を再現することができる.10名の学生に本システムを使用してもらい,実用性や使いやすさなどについての評価を行った.その結果,実用性はあるが,操作性や機能に改善の余地があるという評価を得た.

小西 亮輔 : 音声入力による声明音階の可視化システム

声明とはお経に節がついたもので,仏教寺院で僧侶が唱えるコーラスのことである.本研究では,声明を詠む人が博士通りの音に合わせられているか確認できるようにすることや,声明をあまり知らない人に対する興味喚起を目的とし,音声入力による声明音階の可視化システムを提案した.声明譜面では,読み上げる文字(歌詞)の横に博士と呼ばれる音階や読み方などを表す線状のものが表記されている.本システムはマイクで入力された音声の周波数を音階に変換し,音階に対応する声明譜表記の画像を歌詞のウィンドウの左下に表示する.また,オシロスコープやボールのCGオブジェクトを音の高さに合わせて表示し,高低を可視化した.対象は天台声明,博士は目安博士,律旋という声明の音階とし,西洋表記でいうレ,ミ,ソ,ラ,ドに対応した,宮,商,角,徴,羽(きゅう,しょう,かく,ち,う)の基本の五音を判別する.本システムの有用性についてアンケート行った結果,本システムは操作性が良く,感覚的に音の高低が分かり,声明表記と西洋表記の対応が分かりやすいという点に対して高評価を得た.

西澤 美里 : バレエ動作分析のための特徴量可視化システム

バレエでは身体重心の安定や股関節の開きなどの特徴量が技術向上のために重要な要素となるが,不可視であるためイメージがつかみにくい.そこで本研究では,CGにより特徴量を可視化することで,ダンス技術向上のための要素を理解しやすいシステムを開発した.また各特徴量に適した可視化方法の検討のため,複数の方法で可視化を行った.本システムでは光学式モーションキャプチャで取得したマーカーの3D位置座標から特徴量として骨盤の傾き,股関節の開き,身体重心をフレーム毎に算出する.骨盤の傾きは,腰の後ろと左右股関節の計測点の3点から成る三角形の平面として表示する.股関節の開きは,右膝,左膝,両膝,つま先の4部分の角度を算出し,3D/2D扇形,ゲージ,数値で表示する.身体重心は,身体を15個の体節に分割し,各体節の末端の計測点から求めた体節長を用いて各体節の部分重心を算出し,各部分重心と部分重心を合成して求めた身体重心を球で表示する.特徴量の最適な可視化方法を評価するために10名の被験者にシステムを利用してもらい評価実験を行った.複数の可視化方法から分かりやすさを問うアンケートを行った結果,2D扇形が角度の確認に最適であるという結果が得られた.

  • 西澤美里, 曽我麻佐子, 小田邦彦, バレエ動作分析のための角度情報可視化システム, 映像情報メディア学会技術報告, vol.39, no.8, ME2015-53, pp.69-72, 2015年2月
渡邉 亮 : 音声入力と部位動作接合によるダンス動作作成システム

本研究では,ダンスの創作支援や興味喚起を目的とし,直感的に3DCGキャラクタを操作できるシステムの開発をした.本システムでは,3DCGキャラクタを声により操作し,モーションキャプチャによって取得したモーションを組み合わせることで,ダンス動作を作成することができる.特定の言葉(文章)に対応するダンスモーションが割り当ててあり,マイクから声を入力することで3DCGキャラクタのモーションを切り替えることができる.音声認識にはJuliusを使用し,認識する言語は日本語である.システムは実行と同時にJuliusサーバを起動し,マイクから音声入力を受け付ける.アニメーションは身体部位ごとに制御することができ,頭・右腕・左腕・両脚などの部位ごとに複数のダンスモーションのバリエーションを用意し,それぞれの部位の動作は無作為に組み合わせられる.本システムの有用性を評価するために10名の被験者に本システムを使用してもらい,評価実験を行った結果,ダンスへの興味が沸いたが創作支援を行うシステムだと感じる意見は少なく,まだまだ改善すべき課題があるという結果が得られた.

小森 壮将 : モーションキャプチャによるジャグリング動作の学習支援コンテンツ

モーションデータを用いたデジタルコンテンツの普及が進んでいる.しかし, CGアニメーションを用いた教材などでは人体のみを対象としたものが多い.そこで, 本研究では人体動作に伴う道具動作としてジャグリングのクラブを対象とした3DCG再現を行った.ジャグリングの特徴的な道具動作を見て理解してもらい,ジャグリングの学習支援コンテンツを制作し,コンテンツの提案を行った.まず,光学式モーションキャプチャシステムを用いて人体と3本のクラブのモーションデータを同時に取得した.人体には34個, クラブには各3個の合計43個のマーカーを使用し, 4種類の技を収録した.人体のデータはMotionBuilderで骨格を作成し,変換してBVHで出力した.クラブのデータは各3点のマーカーの位置情報を出力し, これらのマーカーから,クラブの傾きを算出した.人体とクラブのモーションデータをそれぞれCGオブジェクトに適用し同期再生する学習支援コンテンツを制作した.ジャグリング学習支援コンテンツの有効性を図るために,本学学生10名にコンテンツを操作してもらった結果,コンテンツは使いやすく,動作も見やすいという意見を得られた.しかし,学習支援要素の有効性と実用性についてはあまりないという意見が多かった.

治武 恭介 : 振付構成の定量化によるヒップホップダンスの自動生成システム

義務教育におけるダンスの必修化により,ダンスの振付やトレーニングメニューなどを考えることは多くの場で求められている.本研究では初心者のダンス習得支援を目的とし,ヒップホップダンスの練習用振付を自動生成するシステムを開発した.本システムは,プロダンサーから取得した37個のステップ中から8個を時系列に組み合わせることによって振付を生成し,3DCGアニメーションで表示する.ダンス教師による予備実験を行った結果,先行研究のアルゴリズムではステップの種類による反復・左右反転の難易度の変化,及び回転系ステップの連続や身体負荷の高いステップの頻出による難易度の上昇などの課題があることがわかった.そこで本研究では,初心者を対象とし,振付構成において身体負荷,記憶容易度を定量化を行った.定量化することで,生成された振付の難易度の指標が一目でわかるようにした.また,ステップを2種類に分類し,ステップの反復時に同一ステップまたは左右反転ステップの易しい方に限定するようにした.本システムの学びやすさを証明するため評価実験にて身体負荷値,記憶容易度などの妥当性を評価した.また既存システムと本システムの比較として,各ステップにおいて制約を設ける方が易しい構成で効率よく学ぶのに有効か評価した.その結果, 約8割の被験者から学びやすいという結果が得られた.

徳田 実央 : Kinectを用いた人体姿勢入力によるモーションデータ検索システム

本研究の目的は,多くのモーションデータから必要なモーションデータを直感的かつ容易に検索可能にすることである.そこで本研究では,Kinectを用いてユーザが複数の人体姿勢を入力することで,その類似姿勢を含むモーションデータを検索するシステムを開発した.モーションデータから抽出したさまざまなキーポーズをデータベースに収録しておき,そのキーポーズとKinectで入力する人体姿勢を比較することで検索を行う.操作はすべて人体動作のみで行い,身体方向によらず人体姿勢を認識できるように身体方向の正規化を行っている.モーションデータから抽出するキーポーズおよびKinectで入力する人体姿勢の特徴量として,両手首間および両足首間の左右,上下,前後の距離,両膝と腰の上下の距離,背骨の中心と手首の上下の位置関係を用いる.これらを,距離は3段階,位置関係は2段階のパラメータで表現し,これらの8個のパラメータのパターンを検索条件とする.入力姿勢に対する結果をリアルタイムに表示し,履歴として記録していく.さらに,検索履歴の中から選択したモーションをアニメーションで再生することが可能である.本システムの有用性を評価するために10人の学生を対象とした評価実験を行った.その結果,9割が「使いやすい」,全員から「検索システムとして有用である」という回答が得られ,本システムにより,直感的で容易に人体モーションを検索することが可能になった.

  • 徳田実央, 曽我麻佐子, Kinectを用いた人体姿勢入力によるモーションデータ検索システム, 映像情報メディア学会技術報告, vol.39, no.8, ME2015-54, pp.73-76, 2015年2月
中東 彰郎 : Kinectを用いた3D空間ウォークスルーシステム

国内の寺院にはたくさんの歴史ある襖絵があり,博物館でこれらを展示することは困難である.本研究では,博物館におけるインタラクティブ技術を用いた展示支援手法の提案を目的とし,Kinectを用いた3D空間ウォークスルーシステムの開発を行った.博物館の実展示では見ることができない部屋を3DCGで表現し,実際にいるかのようなバーチャル体験を提供することを目的としている.本研究では,寺院の中にある襖の配置を3D空間に再現し,その3D空間でKinectを用いて実際に歩き進む人物の視点を表現する.本システムでは,Kinectで取得した頭,足,手,肩,腰の位置情報を使用し,5つのポーズと3つの動きの認識を行う.ポーズは2つの関節の位置を比較することで認識する.動きは決められた順序に複数のポーズを認識していくか,1つのポーズ認識と前フレームからの差分を測定し認識する.認識結果に応じて,カメラの視点の変更,襖の開閉,ロウソクの点火と消化などの操作が可能である.カメラの視点は常に操作が可能であり,襖の開閉などのインタラクションは特定の場所に来た場合のみできる.本システムの操作性および有効性,寺院の部屋が3DCGにより再現できているかどうかの評価実験を行った.アンケートの結果,約90%の利用者は忠実に再現できていると回答した.また,ウォークスルーの操作性においても,使いやすいということが確認された.

  • 中東彰郎, 曽我麻佐子, Kinectを用いた3D空間ウォークスルーシステム, 映像情報メディア学会技術報告, vol.39, no.8, ME2015-55, pp.77-78, 2015年2月
矢崎 雄帆 : 身体部位の動作合成による振付の自動生成システム

本研究の目的は,モーションキャプチャで取得した3Dモーションデータを用いてダンスの振付創作を支援するためのシステムを開発することである.本研究では,ユーザが選択した基本動作に,複数の身体部位動作を自動で組み合わせて短い振付を生成し,3Dアニメーションでシミュレーションを行うシステムを開発した.本システムはタブレット端末上で動作し,基本動作や合成する身体部位の選択をタッチ操作で行うことができる.生成できる振付のバリエーションを増やすため,合成に使用する身体部位を6種類に細分化し,合成タイミングの調整を行っている.また,不自然な動作が生成されにくいように足,両腕,胴体の接地状態を考慮し,制約付けによって合成の可否判定,解除,タイミング変更を行う.その他に視点操作や再生速度の変更,振付の保存などの機能を実装している.本システムの有用性を評価するために,ダンス経験者8名による評価実験を行った.被験者に本システムを利用して振付を創作してもらい,それを基に実演を行ってもらった.実演後に記入した質問票より,新しい動きの発想や,ダンスのトレーニング支援に効果的という意見が多く得られた.これより,本システムはダンス創作支援として有効であることが確認された.

  • 矢崎雄帆, 曽我麻佐子, 身体部位の動作合成による振付の自動生成システムの試作 , 第19回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集, pp.656-657, 2014年9月
  • 矢崎雄帆, 曽我麻佐子, 身体部位動作の合成とタイミング調整による振付シミュレーションシステム, インタラクション2015論文集, pp.325-328, 2015年3月
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