角川 知 : タブレット端末を用いた家具配置シミュレーションシステム |
タブレットはマルチタッチシステムにより指で画面に触れることで操作ができ,携行性の高さなどから近年普及している.本研究では,タブレット端末を用いて3D空間内で自由に家具を配置し,家具のレイアウトのシミュレーションを行うシステムを開発した.引っ越し等で家具の配置を考える人の役に立てるために,実用的で使いやすいシステムを目指した.本システムは,家具を設置する土台となる部屋の大きさを設定し,家具一覧から挿入する家具オブジェクトを選択し,配置していくものである.家具の配置はタッチ操作に対応しており,タップした箇所に家具オブジェクトを置くことができる.家具の整列を容易に行えるようにするため,部屋は正方形のマス目状に区切り,そのマス目に沿った位置に家具が配置されるようにした.家具は配置後にタップで向きの変更と削除,ドラッグで移動が行える.家具の種類は大きさのバリエーションも含めると25種類となっており,多種多様な室内空間を再現することができる.10名の学生に本システムを使用してもらい,実用性や使いやすさなどについての評価を行った.その結果,実用性はあるが,操作性や機能に改善の余地があるという評価を得た.