Motion Laboratory

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井島 陽輔 : Kinectを用いた人体姿勢推定による類似姿勢検索システム

ダンス等のモーションデータのフレーム数は非常に多く,その中から必要な動作や姿勢を手動で検索することは,非常に手間がかかり容易ではない.本研究の目的は,モーションデータベースから必要なフレームを直感的かつ容易に検索可能にすることである.そこで本研究では,モーションデータから抽出した様々なキーポーズをデータベースに収録し,Kinectを用いてユーザが人体姿勢を入力することで,類似姿勢を検索するシステムを開発した.モーションデータから抽出したキーポーズおよびKinectで入力する人体姿勢の特徴量として,両手首間および両足首間の左右,上下,前後の距離,両膝と腰の上下の距離,手の前後の位置関係,足の前後の位置関係を算出する.これら9個の特徴量を3段階のパラメータで表現し,組み合わせることで検索条件を指定する.そして,データベースから検索条件にあうデータを抽出し,モーションデータのファイル名およびフレームをリアルタイムに表示することが可能である.本システムの有用性を評価するために10人の学生を対象とした評価実験を行った.その結果,人体姿勢の入力によりキーポーズを検索することは,有用であるという結果が得られた.本システムにより,直感的で容易に人体姿勢を検索することが可能になった.

立川 真生 : 3DCGを用いたインテリアシミュレーションシステム

本研究では3DCGとインタラクティブ技術を用いて,パソコン上でインテリアのシミュレーションを行うシステムを開発した.部屋のインテリアを変えたい人を対象に,オリジナリティあふれる理想のインテリアデザインを目指すことの支援を目的としている.本システムは,3次元仮想空間において,家具の追加と配置,家具の色や大きさの変更などを行うものである.まず,室内の横幅と奥行きを十字キーで設定し,あらかじめ用意された3DCG家具を4種類から選択して挿入する.挿入した家具は,ドラッグ&ドロップによる室内の任意の場所への配置,右ボタンの長押しによる回転,マウスホイールの入力による大きさの変更ができる.家具の色は中ボタンクリックで出現する色選択ウィンドウでテクスチャを選択することによって変更できる.インタフェースの補助機能として,家具の大きさを3段階に変更できるようにした.また,家具の移動は水平面上に限定し,家具の回転は垂直軸を中心とした回転のみに限定した.10名の学生にシステムを使用してもらい,システムの有用性に関するアンケートを行った結果,本システムはインテリアデザインを手軽に行うためのシステムとして効果的であることが分かった.

津田 敬亮 : ダンスモーションを用いたオンデマンド型振付生成システム

義務教育におけるダンスの必修化により,ダンスの教材や映像資料は増加している.しかし,これらは書籍やDVDのように一方的にトレーニングメニューを提示する手法が多く,毎回の練習に十分な種類の振付の作成やユーザのレベルに合わせた振付の作成は難しい.そこで本研究では,ダンスの自主学習支援を目的として,ユーザの要望を取り入れた練習用振付を自動生成するシステムを開発した.ユーザの要望として,振付に含めるステップ3個と振付構成の難易度を3段階で入力し,これらの要望を満たす振付を自動生成する.振付に含めるステップの難易度はあらかじめ3段階に分類してあり,ステップの選択時に確認できる.振付構成の難易度は,直前のステップの反復と左右反転の2つの処理を定量化し,生成した振付内の反復および左右反転の処理回数を用いて評価する.自動生成した振付は3DCGキャラクタによるアニメーションとして再生する.本システムで自動生成した振付の難易度の妥当性を評価するため,12人のダンス未経験者を対象として実験を行った.その結果,およそ7割の確率で難易度を見分けることができた.本システムでは,ユーザの要望をある程度取り入れた振付を生成できることが分かった.

  • 津田敬亮, 曽我麻佐子, ダンスモーションを用いたオン・デマンド型振付生成システムの試作, 情報処理学会第76回全国大会講演論文集, 4-625〜4-626, 2014年3月
丹羽 勇介 : 練り供養の博物館展示を支援する仮想試着システム

昨今,モーションキャプチャが容易にできるようになり,ナチュラルユーザインタフェースに関する研究が盛んに行われるようになった.本研究では練り供養という仏像や杖を持って練り歩く仏事を,博物館の展示で分かりやすく伝えるため,映像やインタラクティブ技術を用いた展示支援システムの開発を行った.本システムでは,ゲームデバイスであるKinectを用いて人体の関節の位置座標を取得し,練り供養で用いられる姿勢や動作の認識を行う.姿勢は関節同士の相対的な位置を比較することで認識する.動作は複数の姿勢の条件を満たすことで認識する.認識結果によって対応する画像を体験者の映像に重畳表示することで,練り供養で用いられるお面や仏像等の仮想試着を行う.また,体験者に動作を指示するための補助として,動作のチェックポイントとなるマークを画面上に表示し,これらのマークを辿ることで動きが体験できるようにした.本システムを龍谷ミュージアムの関連イベントにおいて展示し,約130人の来館者に体験してもらった.アンケートの結果,全体の90%以上の体験者は動きやポーズの理解を深めることができたと回答した.本システムは練り供養の博物館における展示支援として効果的であることを確認した.

  • 丹羽勇介, 曽我麻佐子, 練供養のジェスチャ認識と仮想試着による展示支援コンテンツの試作, 映像情報メディア学会技術報告, Vol.37, No.36, ME2013-95, pp.41-42, 2013年8月
イングラマ アジズ アンジャニ : 制御点のタッチ操作による人体モーション加工システム

本研究の目的は,モーションキャプチャで取得した3次元モーションデータとタブレット端末を用いてダンスの振付創作を支援するためのシステムを開発することである.本研究では,人体の制御点を操作することでモーションデータを加工するシステムを開発した.本システムは,モーションデータの再生フレームを指定し,CGダンサーのポーズを対話的に変更することによりダンスの振付動作のバリエーションを作成する.ユーザは,CGダンサーの肘,手首,膝,足首に付いている8つの制御点で関節の位置を指定することができる.手首および足首の制御点に関しては回転させることもできる.システムは,インバースキネマティクスにより肘や肩,膝や股の回転角度を計算し結果をリアルタイムに表示する.ユーザが行った制御点操作はキーフレームとして保存し,CGアニメーションとして再生することができる.また,タブレット端末を活かした操作方法として,タッチ操作による視点の変更や制御点のリセットに対応している.本システムの有用性を評価するために,10名の被験者に実際に本システムを使用してもらい評価実験を行った.被験者が様々な振付のバリエーションが創出できたという結果が得られたので,本システムはモーションデータを加工するシステムとして有用であることが確認された.

  • Inggrama Aziz Anjani, Asako Soga, Motion Synthesis Methods for Supporting Dance Creation, The ACM SIGGRAPH Conference on Motion in Games 2013, poster (Dublin, Ireland), Nov. 2013
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