Motion Laboratory

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吉田 逸生 : 群舞フォーメーションのためのインタラクティブシミュレーションシステム

本研究は,クラシックバレエにおけるコール・ド・バレエという群舞を対象に,ステージ上でのダンサーの配置シミュレーションを行うシステムの開発を行った.本研究の目的は,群舞配置シミュレーションを誰でも簡単に行えるシステムの開発である.本システムは,ゲームパッドを用いて,ダンサー人数,フォーメーションパターンなどを指定し,入力されたパラメータから各ダンサーの位置や移動経路を計算し,仮想ステージ上にCGダンサーを配置してシミュレーションを実行する.クラシックバレエの古典作品において主要なフォーメーションを3種類用意してあり,それぞれのフォーメーションをステージ上に左右対称に配置することが可能である.ダンサーの動作にはモーションデータを用いており,3次元アニメーションによりシミュレーション結果を得られる.開発したシステムの機能として,ダンサーの配置や,別のフォーメーションへの再配置,シミュレーション結果の再生がある.ダンサーの配置を繰り返すことで,ダンサーがステージに入場してから退場するまでの一連の動きのシミュレーションが可能となった.本システムの操作性の評価実験を行った結果,操作に慣れれば使い易いという評価を得た.

  • 吉田逸生,曽我麻佐子: コール・ド・バレエ: ゲームパッドを用いた群舞配置シミュレーション,インタラクション2011論文集, vol.2011, no.3, pp.389-390(2011.3).
西野 真由美 : 能の加加速度データを用いたインタラクティブ演出システムの開発

本研究は,舞台上の役者とCG映像のインタラクションを実現し,CG映像を舞台パフォーマンスの演出に活用することを目的としている.そこで,舞台上で役者が能を演じながら3次元CGアニメーションをインタラクティブに操作できるシステムを開発した.本システムは,能役者の足に装着した3軸加速度センサから得られる加速度を入力とし,スクリーンに投影されたCGアニメーションをリアルタイムに変化させるものである.取得した加速度データをもとに加加速度を求め,これを分析することで,能の重要な基本動作であるすり足と足拍子の2種類の動作を検出する.検出した基本動作によって異なる動きの鳥のCGアニメーションを表示する.本システムは,「蜘蛛の糸」を表現した創作演劇パフォーマンスの「善知鳥」という殺生地獄のシーンで実際に使用した.

  • 西野真由美,曽我麻佐子,芝公仁: 加速度センサを用いた能のインタラクティブ演出,インタラクション2011論文集, vol. 2011, no.3, pp.733-734(2011.3).
林 宏樹 : 取得時期の異なるモーションデータを用いた主成分分析に基づくバレエ技能の比較検討

ダンスなど運動分野において,継続的に練習している中級者では基本姿勢や基本動作が見た目からわかるような大きな変化はないが,見た目からは分かりづらい小さな変化をしていると考える.クラシックバレエは伝統的な舞踊であり,厳格に定義された基本姿勢や基本動作が存在する.そこで本研究では,女性ダンサー1名に着目し,留学1年目の2008年8月(15歳)と留学3年目の2010年8月(17歳)の取得時期が異なるモーションデータを用いてクラシックバレエ技能の違いを定量的に解析することで,どのような変化があるのか比較検討を行った.変化を解析するための27個の物理的特徴量を求めた.次に,抽出した物理的特徴量について主成分分析を行い,特別な傾向が現れるかどうかを検証した.その結果,取得時期が異なったときにおける動作の小さな変化を確認することができた.

松岡 剛史:3次元モーションデータを用いたPCAによる舞踊動作分析
(指導教員:藤田和弘 准教授)

本論文では,モーションキャプチャシステムを用いて取得した舞踊のモーションデータを対象とした分析について述べる.分析を行うためにモーションデータから加速度特徴量と角度特徴量を抽出した.抽出した各舞踊の特徴量を用いて,各舞踊に対して主成分分析を行った.各舞踊に対して主成分分析を行うことにより,定義した特徴量の何が舞踊ごとに強くあらわれるかを調べた.また,対象とする舞踊の全ての特徴量を用いて主成分分析を行い,求めた主成分を用いて各舞踊の近似展開係数を求め,対象とした舞踊が他の舞踊と比較してどのような特徴があるかを調べた.次に求めた近似展開係数のNegentropyを求め,対象とした舞踊がもつ特徴的な主成分を調べた.実験として,特定の舞踊の動作間での分析を行うためにクラシックバレエの基本動作24種類を対象として分析を行った. 複数の舞踊間での分析を行うためにクラシックバレエ,コンテンポラリーダンス,能の3種類の舞踊作品を対象として分析を行った.その結果,クラシックバレエの各基本動作は分類ごとに特徴が類似していることがわかった.3種類の舞踊作品は,各舞踊ごとの特徴と近似展開係数の時間変化に違いが出ることがわかった.

  • 松岡剛史,曽我麻佐子,藤田和弘: 主成分分析による舞踊モーションデータの特徴解析,電子情報通信学会技術報告, vol.110, no.381, PRMU2010-178, pp.249-252(2011.1),他
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